想いを知る

慶生会で活躍している職員のご紹介

寝たきり状態から改善・自立へ

特別養護老人ホーム 入職13年目 30代女性

 北条グループホームにご入所頂いているO様(89歳・女性)は、平成26年10月、食事中に意識ㇾベルが低下し緊急搬送されました。
 診断結果は「低ナトリウム血症」。1ヶ月程の入院をされ、入院前は食事や更衣、ADLは一部介助でしたが退院時には寝たきり状態、介護度も要介護3⇒5へとあがってしまいました。
施設に帰苑後しばらくは意思疎通もあまり図れずベッド上で過ごす毎日でした。どのようにケアをすればいいのか職員も手探り状態の中、まずは寝たきり状態から脱却しようとリクライニングへの移乗動作から始めました。しかしこの移乗も重度の方を受け入れた事のなかった当時のGHの職員には至難の技でした。
 そこで、同じ事業所内の理学療法士に協力を頂き、リクライニングの選定・移乗方法の指導を受けました。始めは移乗しホールで過ごすのが精いっぱいだったO様も少しずつ慣れ平成27年3月にはトイレで排泄を行える状態まで改善しました。ある程度ADLも改善したと同時に「これ以上のADLの向上は難しいかな」と職員は感じていました。
 しかし、職員の想いとは裏腹にご本人様が「また歩きたい」とおっしゃったのです。
 それまでは、「車椅子上で生活する事」が目標だったのが、その日からは「歩けるようになる事」が目標に変わりました。しかし、約半年程の間、車椅子で移動されていたO様の筋力は低下しており、まずは「ベッドからの立ち上がり」のリハビリを開始。立ち上がりやすくする為、ベッド横にI棒を設置、また介助用車椅子を自走式車椅子に変更するなど、少しずつご本人様が「出来る事」を増やしていきました。
 立ち上がりが出来ると同時にベッドからの転倒等も続き「歩行は難しいのでは?」と言う意見もありましたが、ご本人様の「歩きたい」という思いを大切に、歩行状態の確認、福祉用具の見直しを重ねました。そして、平成27年8月には歩行器で苑内を歩行、介護度も要介護5⇒要介護3の状態にまで改善したのです。
 施設に入所されるご利用者様の大半が、年齢や疾病、生活環境の変化により身体機能が低下する事が多く、ケアをする職員も「身体機能が改善・回復する事」よりも「今できる事を維持する事」に目を向けがちです。O様に対しても、「これぐらいまで回復したのでいいだろう」「転倒し骨折すると危ない」等とご利用者様の「可能性」を職員が判断してしまっていました。しかし何よりも大事なのはO様の「また歩きたい」という想いであり、その想いをサポートする事が介護職の役割ではないかと思います。
 O様がここまで回復出来たのはご本人様の努力はもちろん、段階を踏んだ目標設定、状態に合わせた福祉用具の活用があったからだと思います。リクライニングへの移乗から始まったO様のリハビリ生活も今では手引き歩行が出来るまでに回復し、今後は「生まれ故郷の徳之島に帰る」という想いを叶えるべくさらなるリハビリに取り組んでおられます。O様の新たな目標が叶う様、私達、介護職も精一杯サポートできればと思います。